統合DBで銀行情報の一元管理を実現
銀行では業務を円滑に遂行するために、多種多様なシステムを並行して運用しています。預金や融資などの中枢機能を司る勘定系システムを中心に、情報系システムと呼ばれる経営管理やリスク管理、営業支援といった無数のサブシステムが存在しています。これらサブシステムが顧客情報などを利用する際、重要情報を持つ勘定系システムに対して、システムごとに個々にアクセスするのが従来の方法でした。この方法には大きな問題があり、参照するシステムやタイミングなどの違いにより情報に不整合が発生しやすく、アクセス方法も煩雑になりがちで有益な情報を効果的に利用できません。この問題を解決するにはすべての情報を一カ所に集約して管理し、すべてのシステムが常に最適な情報を得られる状態を保つ必要がありました。そこで誕生したのが、私たちが手掛けている「統合DB」です。それまで培ってきたノウハウをデータウェアハウスとして自社でパッケージ化し、横浜銀行様への導入をきっかけに共同利用システムのMEJARやBeSTA利用行にも導入が拡がり、私も入社2年目から共同化案件に携わってきました。
お客様と喜びの共有が、モチベーションに
現在はBeSTA利用行に統合DBを導入するプロジェクトに加わり、リーダーとしての立場で20名以上のメンバーを管理しています。これまでに複数のお客様に対して導入を手掛けてきましたが、無事にサービス提供を迎えたときの喜びはいつも格別です。以前、導入に2年ほどかけて無事に提供を終えたお客様には、社運をかけたプロジェクトだったこともあり、この上なく喜んでいただいたことが強く印象に残っています。私も嬉しい気持ちに包まれたと同時に、お客様が目の前の案件にいかに強い思いで臨んでいたかと思うと身が引き締まる思いでした。
何度も難しい課題に直面してきましたが、当社では横浜銀行様のシステム構築に長年携わり銀行業務に精通している点が大きなアドバンテージとなり、いくつもの壁を乗り越えてきたと感じます。お客様目線でDB構築を行うことができるからこそ、お客様に感動していただける品質を提供できると確信しています。
オムニチャネルも見据えた次世代情報基盤へ
統合DBはあくまでも銀行員目線でのソリューションですが、今後は“オムニチャネル”という銀行の利用顧客目線の考え方のもと、エンドユーザー中心のDBに進化させていくことが一つの流れとなっています。オムニチャネル対応のDBが登場すれば、銀行のサービスは大きく変化します。従来の統合DBでは顧客の基本属性や資金保有状況、取引履歴など、取引発生を起点とした情報を中心に管理しています。オムニチャネル化が進めば、お客様が興味を持った瞬間からの行動やニーズを可視化してライフサイクルを把握し、お客様に最適な情報を最適なタイミングで提供する有効なプロモーションが可能に。そうなるとデータ量も膨大になるため、今とは異なる観点からの統合DB構築が必要になるでしょう。
昨今、どの銀行でも差別化を図るためにサービスの強化を打ち出していますが、まさしくオムニチャネルの推進が高精度なサービス実現の原動力になるはずです。統合DB担当の一人としては、お客様の一歩先行く提案をするために、新技術に対してアンテナを高く張りながら、前進し続ける姿勢で向かっていきたいと思っています。
PROFILE
2009年入社。工学部電気電子情報工学科卒。MEJARの統合DB導入からプロジェクトに入り、この数年はBeSTAの統合DBを担当している。学生時代はビッグバンドを組みサックスを演奏していた経験も。社会人の今こそもう一度バンドを組みたいと考えている。家では2人の良きパパとして子育てに協力し仕事とのバランスをうまくとるようにしている。
統合DB担当