窓口業務の効率化と生産性向上への道標

銀行店舗(営業店)の窓口では、預金手続きや税金の納付、両替、融資や保険の提案など、実に多岐にわたる業務を手がけています。当然その事務手続きの量は膨大なものとなりますが、営業店によってどれくらいの事務があり、どれだけの人員を配置すれば良いかの判断は、かつては現場の感覚でするしかありませんでした。
そうした問題を解決するのが、当社の提供する「事務量分析システム」(製品名『事務Q』)です。窓口の行員がどれくらいの分量の事務を行っているかを数値化していくことで、営業店ごとの実態に合わせた人員や事務機器というリソースの適正配置をはじめ、非効率な事務も発見できるため、合理化につなげていくことが可能です。当システムを導入することにより、煩雑になりがちな銀行窓口業務の効率化・生産性向上の実現につながります。

パッケージの他行展開、そして共同化へ

そもそも事務量を分析するシステムの概念自体は20年以上前から存在しており、横浜銀行様ではいち早く導入を進めていました。私は入社3年目から今の部署に配属され、既に横浜銀行様で稼働していたシステムの保守・運用を手掛けました。並行してノウハウを活かしたパッケージシステムを開発し、地方銀行や信用金庫に導入実績もありました。このパッケージは他に例をみないオープン系システムで、利便性を追求した点がアドバンテージとなり、さらなる導入へ向けた検討が進んでいました。
ほどなくして新たな変革の流れが訪れ、横浜銀行様で導入している事務量分析システムを共同化し、MEJAR(勘定系の共同利用型システム)を利用している3行のお客様にも展開することになったのです。当時はまだ若手でしたが、要件定義から参加したこともあり、開発がスタートする頃には開発の主担当に抜擢されました。以降は協力会社の方々と議論を交わしながら、設計、プログラム開発、試験など工程を重ねていきました。異なる3行のお客様要望をまとめることは苦労も多かったものの、開発の責任者として協力会社の方々と活発にコミュニケーションを交わして問題を解決していくことに醍醐味を感じ、夢中でプロジェクトを進めていきました。別のシステム開発案件も同時進行していて、共同化の開発には3年の月日を要しました。長きにわたって努力してきたからこそ、完成したときの達成感、そして無事に安定稼働に至ったときの喜びは非常に大きなものでした。

銀行の枠を超えた導入もスタート

現在、事務量分析システムは10行以上の地方銀行・信用金庫に導入されており、そのネットワークはますます広がっています。私も新規導入やメンテナンスなどで全国を駆け回っているところです。複数のお客様の声に直接触れた経験から、自分の中にさまざまな角度の視点を持つことができ、要望をいただいた際にも他行の例をイメージしながらきめ細かく対応できるようになりました。
最近では損害保険会社でも利用が始まるなど、銀行の枠を超えて当システムの活躍の場が広がっています。システムの能力的には、金融機関はもちろんのこと、事務作業が発生するあらゆる企業に展開が可能です。これからさらに多くのお客様とお付き合いすることになるかもしれません。
いずれは、この可能性あふれるシステムの全体を管理できる存在になれるように、頑張っていきたいです。その時に向けて、まずは目の前のお客様の安定稼働をしっかりと支えていくことで、ひとつずつ実績を積み上げていきたいと思っています。

PROFILE

2011年入社。情報メディア学部情報メディア学科卒。入社後2年間はMAJARの融資業務支援システムの開発に携わり、その後現在のチームに。趣味は硬式テニス。プレイ歴は中1から10数年間で、中学時代には団体戦で全国大会に出場したことも。会社でもテニス部に所属して仲間たちと汗を流している。

事務量システム担当